郵便局長職に身を置いて思ったこと

 私は、平成9年6月から16年間、伊保庄郵便局長を務めていました。 その間、日々伊保庄を中心とする地域の方々と接し、子供たちが駆け足で成長し、大人たちがゆっくりと年老いて行く姿を見ていました。郵便局に来られるお客様の数は多くありませんが、地域の行事には一緒になって取り組み、郵便局の仕事だけでなく、様々な場面で地域の皆様と共に汗を流していました。 

 伊保庄郵便局のような小さな郵便局が、全国津々浦々どこの町へ行っても存在しています。山奥にも、そして離島にもあります。こうした採算が取れそうにない郵便局が存続し得ているのは、都会の郵便局で得た利益で田舎の郵便局を支えているからです。都会から田舎へお金が流れているのです。単に利潤だけを追求するのではない、ユニバーサルサービスが課せられた会社だからこそできる事です。過疎化が進み、他に金融機関のないような所では、郵便局の存在は大きく大切なものです。 

 私は、この郵便局ネットワークを今後も堅持して行かなければならないと思っています。 

 一方、過疎化の進行といった面に目を向けてみた時に、はたして郵便局に、郵便局長に何ができるのでしょうか。殆んど何もできません。郵便局があるからと言って、都会に出て行くのをやめたり、都会から帰ってくるという事はないのです。 少子高齢化といった地方の喫緊の課題を解決していくためには、やはり政治に関わる必要があります。 

 政治によって様々な角度から検討、実行してこそ、地域社会は変化します。私は、その政治の場に身を置き、渾身の力で我が町を前へ動かして行く事を選びました。 

平井保彦の「ふのせ通信」

余田には、ため池「富農勢(ふのせ)の池」があります。池の水は、地区の田の隅々にまで流れ米作りの助けとなっています。このため池の歴史と多様な役割を良く認識し、この池の水の如く地域の隅々にまで目を配り、地域のためにという気持ちをしっかり持って歩んで参ります。

0コメント

  • 1000 / 1000